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?H つまり、この場合も一定の公的機関が一元的証明を行う制度が必要か、或いは、証明を行う機関に何らかの規制が必要か否か慎重に考える必要がある。

・ ます、第1に現実空間では、本人確認や取引の成立の確認は原則としては当事者間で行われており、電子空間上も第三者的な証明機関の必要性については、扱う取引内容、技術、コストからみたニーズと証明機関が負担可能なリスクの兼ね合いから慎重に考える必要がある。

・ 第2に、現実空間では、銀行決済の場合は銀行、クレジット決済の場合はクレジット会社、会員制サービスの場合は当該会員制サービスの事業者、業界間の取引の場合は業界団体等が何らかの証明機関となっていることが多く、電子空間上の証明機関の位置づけを取引内容毎に整理する必要があり、現段階で一律に考えるべきではない。

 

?I また、認証や電子証明のための暗号の鍵の管理や鍵を失ってしまった場合の制度なども検討する必要があるとの意見もある。

 

?J さらに、取引の有無、意志表示の内容等について紛争が発生した場合に、情報のやりとりの有無、内容を確認できる第三者的立場にあるモール運営業者、ネットワーク運営業者、キャリア、認証機関に対し、情報の開示を求める仕組み、その要件等を検討していく必要がある。

 

(4) 費用負担の問題

● 電子商取引における適正な費用負担について検討すべきではないか。

?@ 従来の紙ベースで取引をしていた相手に電子データで取引を行おうとした場合には、コンピュータなどのハードウェアやプログラムなどのソフトウェアや通信料金などさまざまなコストが発生する。このコスト負担の問題をどのように考えるかについては原則として当事者間の合意によって定められる事項であるが、電子商取引においては取引上の費用が特定の主体に集中して顕在化するという可能性がある。

 

?A 電子データを利用した全般的な商取引の費用負担についての考え方を示したものは、流通の取引慣行について公正取引委員会が平成3年7月に独占禁止法上の指針を公表している。

 

 

 

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